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天空の蜂 [BOOKS]


「天空の蜂」東野圭吾著 講談社文庫

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これは、とっても凄いぞ!的作品。
内容はもちろん600ページオーバーなのもあり、久しぶりに読み応えがたっぷりでした。


最近の物かと思いきや、実は1995年の作品。
かなり前に描かれています。今頃知るとは…(汗


「CH-5XJ」通称“ビッグB”なる最新テクノロジーを搭載した超大型特殊ヘリが強奪される。
おまけに爆薬を積んで…最新テクノロジーなので遠隔操作の無人状態。

無人のまま飛行したヘリは、福井県敦賀市の高速増殖炉「新陽」の上空でホバリングし始め、
そして、警察、政府、各省庁、マスコミ各社、あらゆる所へ声明を出す訳です。
「日本中の全ての原発を停止せよ!」と…
さらに「原発を停止しないのであれば、
このヘリコプターを高速増殖炉「新陽」へ墜落させる。」と…


そう、テロと原発というかなりの重いテーマを扱っているんです。
再度いいますが、1995年11月に単行本として刊行されてます。


犯人の目的は? 政府はどう対応するのか? その時人々は?
というのが、緊張感を持って展開していきます。
その徹底した、圧倒的なリサーチも凄いですが、その筆力を持って
なにより淡々と進行していくので余計に、濃厚、緊迫感のある内容となっている訳です。


かなり以前に描かれているのに関わらず、
今読むと、かなり濃密というか切実…かと感じますね。


2011年に起こった震災、追い打ちをかけるような想定外という名の被害、
その後の政府の対応、電力会社の対応、計画停電、直後のモノ不足…

フィクションと分かっていても、妙にフィードバックしてくる訳です…


原子炉が、微笑むこともあれば、牙を剥く事もある、
微笑みだけを求めるのは、傲慢である…
常に意識し、自ら選択することを、忘れてはならない…という文章がでてくる。

改めて、社会構造の問題、矛盾を考えさせられる訳で、
自らも改めて考えなくては!と思うくらい、深い、濃い内容になっているので、
これは、いろんな方に読んでもらいたいなと思う訳です。

今頃ですがオススメ。★★★★★



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